生産経営のための広域的情報の共有と統合(2)：生産経営における情報体系のあり方

摘要

経営における生産活動の位置づけは，企業戦略に沿って生産が効率的に行われる前提として主活動である生産が関連部署からの支援活動を受けて付加価値の最大化を目的とすることにある。 このような視点から，組織全体に関係するヒト，モノ，カネの流れに注目し，適切なダイナミックな管理が必要であり，そのためにデータの一元管理と企業全般にわたる広域的な情報の共有化と統合化が求められることになる。 しかし，このような情報の要素を管理する際，問題となるのが管理対象となる要素数の数である。 一般的に経営者が判断を行うための情報は，それほど多くはないと考えられる。しかし，意思決定を行うための情報は事実を表わしていなければならない。 そして，その事実を表わす情報要素というものはそれこそ無数に存在することになる。 ここでは，生産経営における情報体系のあり方を明確にし，その情報体系を整理するフレームワークとしてエンタープライズアーキテクチャーを利用するアプローチについて述べる。