粉体技術の現状と今後の動向

摘要

ニューセラミックス，電子材料，機能性粉体，サブミクロンなどの新素材と新エネルギー，資源リサイクル等の新しい産業の台頭と，それに伴う新技術の展開という時代を迎えているが，この基礎的な部分を支える粉体技術の重要性は高くなってきた。 “粉体技術の現状と今後の動向”を発表してから約28年を経過したが，その間に粉体技術の動向と展望に関する報告を次々に発表してきた。 これらの報告のうち表1の“粉体操作め進歩”は大型化·連続化プロセスに対応する粉体操作の進歩の表である。 この表には1982年，1992年における技術の進歩度を示してあるが，これに最近の進歩の割合を印で，評価を◎，△，×印で示してある。この表で到達度10を完成として◎印は8以上，△印は6～8，×印は6以下としている。 新しい技術革新の時代に入って，少品種大量生産より多品種少量生産への転換，新素材の中で有望な複合化技術，ナノテクノロジーの時代とともに粉体プロセスのFA化，IT化の強い要望にともない基礎を支える粉体技術は"精密な粉体技術(Fine Particulate Technology)"と，これを支援する制御(Mechatronics)の進歩にはめざましいものがある。