環境調和型製造プロセスと省資源·省エネルギーの実際：究極のサイドカット塔方式－新蒸留システム「カラムインカラム」

摘要

地球温暖化防止策は世界的テーマとされている今，化学工業での分離操作では蒸留が今も主流であるが，「エネルギー浪費型の分離操作」の悪評を返上するには至ってない。 「プロセス革新の観点ではなく，プロセスの合理的設計を通じて省エネルギーあるいは同じエネルギー使用量での生産性向上を図る技術である」とのピンチテクノロジーの精神に沿った「新蒸留システム」を紹介する。 理論面の提案者はピンチテクノロジーの研究が開始されだす少し前の1965年の旧ソ連時代にPet-lyukらで，側塔と主塔との組み合わせによるフロー集約型省エネルギー蒸留システムであった。 わが国では協和油化（株）と住友重機械工業（株）の共同開発で工業化が実現し，1998年に公開以来，蒸留の省エネシステムの切り札として脚光を浴びだした究極のサイドカット塔方式「カラムインカラム」を主体に蒸留の省エネの経緯も合わせて紹介する。