冷涼気候を活かした省エネ行動誘発型の中小規模事務所ビル設備リニューアル

摘要

北電興業では，2010年に省エネ法の特定事業者指定に対応するため，部門横断的な社内省エネWGを設置し，省エネ活動を推進してきた。札幌市に所在する北電興業ビルに対して「寒冷地の既築中小規模事務所における省エネ化のモデル施設とする」ことを目指した。リニューアルに取り掛かる前に運用改善に取組み，8年間でエネルギー消費を22％削減。次に，ESCO事業者のノウハウを活用し，総合的な省エネ設備リニューアルを実行した。具体的には，熱損失抑制や設備高効率化，簡易BEMSによる“見せる化”，及び冷涼気候を活かした利用者の省エネ行動を誘発する自然換気手法を計画し，建築主と利用者，工事関係者が一体とならて実行した結果，さらに27％削減することができた。