簡易型BEMSの技術開発に寄せて

摘要

以上，本稿では簡易BEMSの展開に際して，BEMSそのものの意義や機能，構成について内外の動向を含めて解説し，その中から簡易BEMSの役割分担できる環境と対象とをあぶりだしてみた。 簡易BEMSの開発が。 BEMSに本来求められている機能を低質化させてしまうことのないように，との危惧を有しつつ，そうではなく真に高度な機能を，既存の従来型BEMSから段階的にグレードアップしていく方向と，全く新しく遠隔群管理·解析による端末BEMS（各建物ごと）の簡易化との2方向性が典型的なものであろうと考えた。 さらに現実にコストの制約から逃れるためには無計測よりは現地直読器でもあった方が良い，そますればそのデータ収集解析にモバイルPC，タブレットコンピュータを用いる方法が実は現実性があるだろうとかねてから考えていたことを付け加えた。 ピントが外れていないことを祈るものである。 さて最後に付け加えたい余談として，こういう方面の省エネルギー実現のための技術展開の一方で，空調環境技術者としての立場からは絶対要件である環境快適性の制約が，世間がかなりいい加減に捉えていることに危惧を抱いているということをこの際付け加えておきたい。