省エネ診断からみた熱搬送設備の省エネ

摘要

省工ネルギ一法の改正案が今国会を通過して平成15年4月から施行されることになったのは，開係諸氏にとって周知のことと思われる。 今回の改正は加速度的に増加する業務部門の省エネ対策に主眼がおかれていることは言うまでもない。 即ち，第一種工ネルギー管理指定工場の適用をすべての業種に拡大したことと，第二種エネルギー管理指定工場にも定期報告書の提出を義務づけたことでぁる。これにより大規模ビルにおいては，法律にのりとったエネルギー管理を遂行せざるを得なくなるとともに，第一種に指定されたビルに至っては中長期計画の策定が義務づけられた。ようやく最近になって普及し始めた省エネルギ一診断がさらに重要性を増すとともに，省エネルギー施策の実施を前提としたエネルギー管理が不可欠な時代になったといえる。 省エネルギーセンターでは平成9年度から業務用ビルに対する省エネルギー診断を実施しており，延べ640件を超える診断実績がある。 熱搬送設備における省エネ特集ということで本稿では直近の平成13年度における省エネルギー診断での同設備に対する改善提案の傾向を述べ，次いで診断に際しての着眼ポイントについて解説し，最後に最も普遍性の高い提案事例を紹介する。