特集：燃料電池実用化のカキを握る材料開発－II.材料事例·電極触媒耐CO被毒性·高活性の白金合金触媒

摘要

燃料電池の電極に担持される白金触媒は高価で，燃料由来のCOによって活性が低下する被毒が大きな問題となっている．白金と鉄，ニッケルなどとの合金によって耐CO被毒性の高い触媒を開発した．化石燃料の大量消費による地球温境化·環境汚染問題は，近年，人類焦眉の取り組み課題として顕在化してきた．これに対する重要な対処手段として，高効率·無公害の燃料電池を用いた電気自動4車（FCEV）や家庭用電熱併給システム（CG－FC）が大きな期待を集め，研究開発が世界的に活発化している．燃料電池の発電原理は，水の電気分解の逆で，電解質を挟んだ負極（アノード），正極（カソード）に，それぞれ水素，酸素を供給すると電気と水を生成する．電解質の種顆により，アルカリ形（AFC．室温～150℃），高分子電解質形（PEFC．室温～100℃），リン酸形（PAFC．200℃），溶融塩形（MCFC．650℃），固体酸化物形（SOFC．～1,000℃）に分類され，低温作動の前三者では，アノード，カソード反応が遅いことによるエネルギてロスを抑えるため，触媒が不可欠である．ここでは，FCEVやCG-FC用として特に関心の高いPEFCに不可欠なアノードおよびカソードの触媒について述べることとする．