特集：材料技術トレンドを読む工業材料キーワード50－電波収体

摘要

室内や屋外，さらには電子機器内における各種電波吸収体の必要性がますます高まってきている．ここでは，電波吸収体技術の現状と展望について説明する．写真1は，近傍電磁界まで含めた一般的な電波吸収体の使用例を示している．この写真に示すように，電波吸収体には，大きく分けて3つの使用形態がある．①偽像防止対策や電波障害対策などで使用する場合で，遠方電磁界（平面波）の吸収に対する利用．②電波暗箱やアンテナ付近などで使用する場合で，準近傍電磁界の吸収に対する利用．③筐体内（筐体壁面や伝送線路など）や隙間などで使用する場合で，近傍電磁界の吸収に対する利用．現在の電波吸収体は，遠方電磁界に対する利用が主であり，各種周波数帯 ē幞廿毳膸·楗撺瓴◣。 ─摔堡腚姴ò凳矣盲洌飑`ダー偽像防止対策用，テレビ偽像防止対策用，ETC (Electronic Toll Collection system)などに幅広く用いられている．しかし最近は，例えば，筐体内の電波環境を良好にして，筐体内に配置された各種デバイスの性能向上や維持を目的とする近傍電磁界に対する電波吸収体の各種要求が急速に高まっている．