続·材料トラブル調査ファイル ファイル(14) 牛乳パックの日付け印刷不良事故

摘要

ポリエチレン(PE）は化学的に非常に安定で、また塩素のようなハロゲン化物が含まれていないため燃やしても安全で、そして何よりもキロ当たり120円前後と廉価であることを理由に、数多いプラスチックの中でも最も生産量の多いプラスチックである。 低密度ポリエチレン(LDPE）、中密度ポリエチレン(MDPE）、高密度ポリエチレン(HDPE）、直鎖状低密度ポリエチレン(L－LDPE）の4種を合わせると世界のプラスチック総生産量の1/4強を占める。 今後、リサイクルするために単一種ポリマー化の採用傾向が強まる風潮下でも、さらにその生産量は続伸していくものと予想されている。 特にLDPEはほかの汎用ポリマーと異なり、ゆっくりとではあるが酸化すると生分解の進行が認められるなど、地球環境保護にもマッチしたポリマーと言えるであろう。 今回報告するトラブルファイルは、消費者が牛乳の鮮度を見るための判断材料としている、牛乳パック上部表面の品質保持期限（賞味期限）日印刷部に生じた印刷不良事故である。