最新セラミックス技術－高度化への材料·製法開発の挑戦：［事例·トピックス］カーボンナノチューブ分散による導電性ジルコニア基ナノコンポジットの創製

摘要

代表的な酸化物セラミックスである正方晶ジルコニアは高強度、高靭性といった優れた力学特性を有しているが、本稿ではその力学特性を活かしつつ更に高次機能化させることを目的として、カーボンナノチューブを分散したナノ構造制御法を適用し、ジルコニアセラミックスへ放電加工が可能な程度の電気伝導性の付与を検討した。 アルミナやジルコニア、窒化ケイ素などの構造用部材に用いられるセラミックスは、高硬度、高強度といった優れた力学特性が故に、金属材料に比較して機械加工性（マシナビリテイ）に劣り、このために複雑形状部品の作製には時間およびコストがかかるなどの課題がある。 これらを克服するために、さまざまな成形技術が開発·利用されるとともに、ナノ複合化技術の適用により材料そのものに機能を付与することで、マシナビリティ2や超塑性変形能の付与などが報告されている。