最近の電波吸収体技術の現状

摘要

電波吸収体の研究分野では、電波利用の多様化 に伴い、対象とする周波数や目的に応じて様々な 電波吸収体が提案されている。また電波吸収体を 設計する上で重要なファクターとなる複素比誘電 率·複素比透磁率と呼ばれる材料定数についても、 様々な評価法が提案されている。従来の電波吸収 体のアプリケーションとしては、航空機や船舶の レーダ偽像対策やテレビゴースト対策、EMC評 価用の電波暗室に用いる電波吸収体があげられる が、最近では、アンテナの指向性制御や各種無線 通信の評価·対策に用いる狭帯域吸収体、室内無 線LANのマルチパス対策、回路基板などのノイ ズ対策に用いる近傍界用吸収シートなど、多岐に渡る。