画像処理技術による非破壊検査技術の高度化－医療·RC分野の融合

摘要

鉄筋コンクリート構造物の非破壊検査では，非破壊試験により得られた測定結果から構造体コンクリートの状況を判断，推定して必要な対策が判断される。このため，測定結果を分かりやすく表現する技術は，技術者に対しては試験や検査における判断を支援し，また，第三者に対しては試験や検査における判断結果の客観性を示す手段となり，非破壊検査の高度化や信頼性の向上に寄与する技術になると考えられる。今回の特別講演は「画像処理技術による非破壊検査技術の高度化一医療·RC分野の融合－」という題目で開催された。測定結果を分かりやすく表現する技術の一つである非破壊試験結果の可視化をテーマとし，さらに，この可視化の精度を向上させるための画像処理技術に着目したものである。講演は表1に示すとおり3部構成であった。先ず，医療分野での最新の画像処理技術について，（株）島津製作所の関川先生にご講演頂いた。次に，コンクリートの非破壊試験に活用できる画像処理の応用技術について，香川大学の山口先生にご講演頂いた。そして最後に，両先生と電磁波レーダ法のメーカである日本無線（株）の石井氏をパネラーとして，鉄筋コンクリート構造物の非破壊試験における可視化技術の現状と今後期待される内容について，公開討論会が行われた。本稿では，この特別講演会の背景と内容について報告する。