銅管の走間偏肉測定方法および装置の検討

摘要

銅管はルームエアコンなどの熱交換器や種々の配管の材料として用いられている。ここ数年の銅地金価格高騰を背景にさらなるコストダウンや品質高度化の要求に伴い，薄肉軽量化や管肉厚均一化が求められている。偏肉は熱間押出や圧延，抽伸で生じ，特に最終に近い抽伸での偏肉低減制御および偏肉全長測定保証が課題となっている。しかし，その要素となる管肉厚分布を非破壊で測定する方法および装置は超音波厚さ計や放射線を利用した方法など多々報告されているが，ライン速度100m/min以上，管肉厚0.2～数mm程度まで適用可能で比較的安価な測定方法および装置はなく，実際の製造ではマイクロメータを用いて管端部の偏肉を測定する方法を適用している。そこで，非破壊で偏肉，すなわち最大肉厚差を連続測定する，渦電流を利用した走間偏肉測定方法および装置を検討した。この試作装置を用いて実機ラインでの測定実験を行い，実用域の測定精度が得られた。