海底熱水鉱床を探査する合成開口インターフェロメトリ海底地形計測ソーナーの開発

摘要

新しいフルスワス精密地形計測システムは音波の到来方向角で-90度から+90度を計測するもので，従来技術としての真下付近を高精度に計測できるマルチビーム測深技術と，広範囲を計測できるインターフェロメトリソーナーの両者の長所を兼ね備えるものであり，世界に類の無いフルスワス計測可能な先端技術となる。未知の深海底を海中ロボットで探査するにあたって広範囲を一度に観測することは重要な点であり，海底から50mの高度で400mのカバーレッジを確保する。高度が高くなれば測量幅は増大するが，分解能は劣化するため，合成開口技術を組み合わせることにより，精度·分解能を世界最高レベルに向上させる。更に，海底での測位精度をcmレベルに引き上げることにより資源開発に大きく貢献する。本稿では合成開口インターフェロメトリソーナーと精密測位システムの開発状況について3年間のこれまでの研究結果を報告する。