疲労き裂と放電加工ノッチにおける超音波エコー特性の比較

摘要

超音波探傷試験において,疲労き裂等の面状欠陥を検出するときには，探傷感度を設定するための標準欠陥として放電加工ノッチ（以後，EDMノッチと呼ぶ）が使用されることが多い。 しかしながら,一般にこのEDMノッチの形状は方形や半円形が主であり，疲労き裂など実際のき裂の実形状とは異なっていることが多い。 また，EDMノッチと疲労き裂とでは，欠陥の開口幅（応力状態），欠陥面の粗さ，欠陥の傾き等の遠いがある。 これらEDMノッチと実欠陥との差異が，超音波探傷における両者のエコー高さの遠いに影響すると考えられる。 このため，EDMノッチと疲労き裂とのエコー高さの差異を予め把握しておくことは，実際に各種プラントの構造部材の保守検査や供用期間中検査において超音波探傷試験を行う際の探傷感度設定等に有効であるが，両者を比較じた文献はほとんど見られない。