結託耐性符号の実用化に向けた符号長の短縮

摘要

デジタルコンテンツの不正な流通を防ぐ技術の一つに電子指紋方式(Digital Fingerprinting)がある。これは，個々のコンテンツにユーザーID (Identification)を埋め込んでおき，不正に流通したコンテンツのIDから不正者を特定する技術である。複数の不正なユーザーがコンテンツを比較し埋め込まれている旧を書き換える結託攻撃に備えるため，この方式では，通常のIDの代わりに“結託耐性符号”を用いる。しかし，従来の結託耐性符号では，結託攻撃による不正者の見逃しやえん罪を防ぐために，符号長を極めて長くする必要があった。東芝は，不正者追跡アルゴリズムの見直しや最適化などにより，結託耐性符号の符号長をこれまでの1/15～1/20へと削減し，実用化にめどをつけた。