衛星通信·放送における干渉波発射源の位置推定技術

摘要

衛星を利用した通信や放送は，近年, 利用の拡大が進み，それを支えるインフラは非常に重要なものとなっている。 衛星利用の拡大に伴い, 地上局が送信する送信波が, 誤って他の衛星回線に混入する干渉事例が増えており, 衛星通信·放送事業者及びサービス利用者にとって大きな問題となっている。 この問題を解消するため，干渉の原因となっている電波発射源を特定し，少しでも早く排除したいというニーズが高まっている。 しかし，衛星通信·放送における干渉は, 干渉波を衛星経由で受信するため。 地上に存在する本来の干渉波発射源の位置を特定するのは難しいという事情がある。 東芝は，衛星からのダウンリンク波を受信し，その受信波に内包される情報を分析処理することにより，地上の干渉波発射源の位置を推定する技術について研究開発を進めてきた。 ここでは，その技術の概要及び開発状況について述べる。