抗菌薬選択に難渋したListeria monocytogenes髄膜炎の1例

摘要

入院前日，独居の患者が自宅で倒れているの を毎日訪問している長女が発見した。この時は意識障害 を認めずそのまま自宅で静養していた。入院当日に再度 長女が訪問すると患者は，便失禁の状態で倒れており， 呼びかけに反応が悪かったために，当院へ救急搬送と なった。2経妊2経産。入院の約10年前に診断された 2型糖尿病にてィンスリン投与中（腎症IIIA期）。入院の 約2年前に子宮頸癌と診断され(扁平上皮癌，stage IIIA 期)，抗癌剤と放射線療法が行われたが，進行性多発肝転 移を認め，効果が得られないとして現在は経過観察中。 その他に肥満症と脂質異常症がある。