鍼灸の教育·研究と制度をどうするか鍼灸の教育·研究と制度をどうするか鍼灸師の立場から

摘要

鍼灸の教育と研究のあり方は、当然のことながら制度に大きな制約を受ける。 もちろん、制度の如何に関わらず、教育と研究の目標を設定することは出来るが、制度によりその実現や達成度が大きく左右される。 つまり、個人の努九　 組織的な推進力、政府の施策の3者は相互に影響し合いながら存在する。 さらに、日本全体の文化や時代の社会的ニーズと不可分であり、世界の鍼灸の動きにも大きく影響を受ける。 日本の独自性を見いだし、特徴を活かすには、まず、日本鍼灸とは何かを明確にする必要がる。 例えば、日本の鍼灸師養成課程は、他の国に比べると西洋医学が重視される傾向にある。 その特色は、東西医学を統合する視点で教育が行われて初めて生きるが、東西医学を統合する視点を構築するためには、鍼灸の特色、特徴を鍼灸サイド自らが明確にする必要がある。 単純に西洋医学と東洋医学を並列的に学ばせればそれで良いというものではない。