持続的イノベーションVS破壊的イノベーション

摘要

持続的イノベーションと破壊的イノベーションは二者択一ではなく，両立しなければなりません。 ところが，両立がむずかしいのでそこにジレンマがあるわけです。 以前はTQMヤシックスシグマ，ベンチマーキング，ABMなど，絶え間ない改善すなわち持続的イノベーションを行っていればよかったのですが，これに加え，破壊的イノベーションにも取り組まなければならないというわけです。 最近は積極的に他社に先んじて自ら破壊的イノベーションを起こし，自社に有利な業界構造を引き寄せるべきといわれています。 そのためには絶えず新しい技術や素材，アイデアに関する情報に接し，顧客の立場に立ってどのようになったら便利かを考えて将来をイメージすることが大切です。 また，破壊的イノベーションを起こす組織は事業部や子会社にして独立性をもたせるべきですが，他事業部との連携は強くして，使えるリソースはつぎ込まなければなりません。 IBMはパソコンを独立事業部に開発させたのですが，他事業部の支援を得られなかったため，OSとMPUを外部調達することになり，大きな付加価値を取り逃がしてしまいました。