再評価される米国化学市場の魅力－技術革新，原料コスト優位復活が外資を誘引－

摘要

米国化学工業の成熟化に伴う企業変革の姿を，総合化学大手と準大手，石化企業，スペシャリティー企業の主要市場別といった大まかなくくりで眺めてきたが，共通するのは，新興国が台頭するなかでの競争力ある事業の選択と新規市場へのアプローチであろう。本節では競争関係の変化をみるために，外資の対米進出の変化をM＆Aや設備投資の視点から概観することにより，多国籍化学企業の世界戦略のなかでの米国市場の位置づけをみておくこととする。