米景気好転にらみ事業再編広がるPPG、建築塗料強化、塩素は撤退

摘要

欧州債務危機や中国の成長鈍化など世界経済の暗雲がなお晴れない2013年の年頭であるが，住宅着工や自動車生産，個人消費に復調の兆しのみえる米国では，一連の化学企業が事業再構築で敏速に新情勢への対応を図るなど，今後の成長戦略への自信がよみがえり始めているようにみえる。Solutiaを48億ドルで買収したEastmanや農薬やバイオポリマー，リチウム，ソーダ灰など強い事業に集中するFMC，一昨年のNalco買収に続き，油田化学品のChampion Technologiesを22億ドルで買収に乗り出したEcolabなどが好例であるが，今回は塗料への事業集中を進めるPPGとその周辺の再編模様をみてみよう。