原油価格予測の当たり外れ

摘要

世界経済を翻弄した2008年の原油価格乱高下を的確に予測したエコノミストはほとんどいない。 この気まぐれで厄介な原油価格の短期と中長期見通しを石油エコノミストが議論する恒例の国際パネルディスカッション「これからの石油·エネルギー情勢をどう見るか」が1月30日に経団連ホールで今年も開かれた。 エネルギー総合推進委員会、日本エネルギー経済研究会、新日本石油、新日石総研共催のこの公開討議は今回が18回目。 パネリストは、CIAやIEAを歴任した前米国エネルギー省エネルギー情報局（EIA）局長、現戦略国際問題研究所シニアアドバイザーのガイ·F·カルーソ氏、世界的に著名なエネルギー·エコノミストで現FACTSグローバルエナジーグループ会長兼CEOのフェレイダン·フェシャラキ氏、JOGMEC上席エコノミストの野神隆之氏、それに司会が日本エネルギー経済研究所専務理事の十市勉氏である。2008年の原油価格予測を議論した17回目（本誌1350号アングル参照）に参加したのはフェシャラキ氏と十市氏だけだが、年後半の暴落はさておき、年間平均80ドル台とみる前回の価格予想はいい線を予測している。 2008年年初の100ドルはWTI原油が7月に150ドル目前の史上最高値にまで高騰、後半は下落に転じて年末には40ドルを割り込む水準にまで暴落したが、年平均はほぼ100ドルで許容の範囲内。足元で40ドル台を上下しているWTI原油の価格は、さて2009年にはどう動くのか。