米国経済とガソリン需要の行方大不況の震源地は景気回復へ

摘要

2008年秋のリーマン·ショックを契機とする戦後最悪の大不況に直面して、世界経済は、先進国、途上国を問わず2008年後半から2009年春にかけて大きく呻吟した。多くの先進国の中にあって、日本は2009年春にいち早く景気回復宣言を行った。日本経済の底は2009年2月であり、それ以後は在庫調整の一巡による生産活動の活発化と中国の成長回復に伴う輸出の増加に伴って、日本経済は順調に回復すると予測されている。しかし、日本経済に対する海外の日は厳しい。日本の2009年第2四半期における好調な経済成長は主として、中国への輸出増加をはじめとした外需に牽引されたものであり、国内の消費の拡大による自律的な回復には、なお時間がかかると見られている。OECD（経済協力開発機構）や世界銀行といった権威ある国際機関の日本経済の先行きに対する見方は極めて悲観的である。むしろ、サブプライム·ローン（信用力の低い個人向け住宅融資）問題の震源地であり、戦後最悪の景気後退の元凶ともいえる米国のほうが、先に本格的な景気回復軌道に入ると多くのエコノミストは見ている。