原油価格下落と超重質油の動向：カナダのオイル·サンドの生産性は順調

摘要

21世紀に入ってからの原油価格の上昇により、従来は経済性のある原油埋蔵量とBP統計上は把握されていなかった超重質原油であるカナダのオイル·サンド、ベネズエラのオリノコタールが、原油埋蔵量に計上されるようになり、ベネズエラとカナダは、サウジアラビアと肩を並べる、世界有数の原油埋蔵国となっている（図表1）。そもそも原油埋蔵量とは、動的（Dynamic）な概念であり、その時点における経済的、技術的に採取することが可能な原油の資源量として絶えず変化する数値である。そのため、原油価格が上昇し、開発技術が進歩して1井戸当たりの生産性が向上すると、従来は原油埋蔵量とカウントされていなかった石油資源も原油埋蔵量に計上されることとなる。