PMMAファントムを用いたX線CT装置の半価層推定法の検討

摘要

1995年におけるわが国の国民1人あたりに対する医療被曝線量は、年間実効線量2.37mSvと報告されている。1999年における年間実効線量は、厚生労働省統計情報部「医療施設調査」による放射線診療機器の保有数、検査数をもとに2.63mSvと推定されており、世界平均の医療被曝0.4mSvの6.58倍、ヘルスケアレベルⅠの国々における平均1.2mSvの2.19倍となる。 これは1検査あたりの被曝線量が多いことを意味するものではない。 日本放射線技師会が発刊した「医療被ばくのガイドライン－患者さんのための医療被ばく低減目標値－」に表記されている低減目標値、および基礎データとして用いられた全国アンケートの線量評価はIAEAガイダンスレベルと比較して同程度の値を示している。 医療被曝が増加した背景には、放射線診療機器の普及、集団検診システムの確立、および医療保険が行き渡っていることが関与しているといわれている。