3点曲げ試験によるCFRTPの縦弾性率および面外せん断弾性率に関する評価

摘要

炭素繊維強化プラスチックス（CFRP）は，その優れた力学特性を背景に，航空機やスポーツ用品など様々な分野へ適用されている．近年では，CFRPにより量産型自動車の車体を軽量化することで，運輸部門での環境負荷の低減が試みられているが，コストや生産性の問題から，現在のところ実現には至っていない．しかし，2008年度から2012年度にかけて行われた経済産業省のNEDOプロジェクト「サステナブルハイパーコンポジット技術の開発」において，これらを解決するための炭素繊維強化熱可塑性プラスチックス（CFRTP）が開発された．CFRTPは従来の炭素繊維強化熱硬化性プラスチックス（CFRTS）と同様に力学特性に優れるが，それだけではなく，ハイサイクル成形が可能で，リサイクル性にも優れている．このような特徴から，量産型自動車だけでなく，様々な用途へ適用可能な新素材として注目されている．