世紀を超えて--科学·技術·入の100年

摘要

今から丁度100年前の1911年3月、本技報のルーツである製織研究会記事が発刊された。当時、官営八幡製鉄所が立ち上がり、わが国における製鉄技術の早暁期でもあった。その発刊の意図は4つあったと言われている。①国技術の移転だけではなく、その根拠を探り、日本に適した方法を追求すること。②製鉄所の部門間の技術交流が充分でなく、その状況を克服すること。③マネジメント層が上記②とも関連して、職工クラスまで連携精神を徹底すること。④日常的な作業のなかで改善を積み上げること。銑鋼一貫製鉄所として多くの部局に分かれ、その自主性が高いなかでの閉鎖的な状況を打破し、相互の交流を図ること、また外国技術を学ぶだけではなく、その本質を見抜き、わが国の実情にあわせて移転すること、日常改善を重視することなど、その精神ほ100年前ではあっても将来を鋭く見通している点で新鮮である。