業務プロセスこそ財産ITが実行力を高める

摘要

筆者は本誌において過去2年にわたり、IT（情報技術）が持つ本質的かつ具体的な問題解決能力を生かした業務改革について述べてきた。しかし、多くの企業ではいまだに、業務改革やITの重要性は認識されても、その取り組みが中途半端であったり、本質的で構造的なものになっていないところが多かった。 業務改革やIT活用を、個々のテーマや課題に対する対症療法的な取り組みとしてとらえているうちに、市場の変化や業務の複雑さが増していき、かえってシステムの肥大化や不整合性が高まってしまった。 長引くリストラやIT投資の抑制によって業務改革に向けた組織能力の低下も見られる。