展望無線情報技術とコンクリート構造物の維持管理現状と将来―建築コンクリートの側面から

摘要

鉄筋コンクリート構造物の長寿命化は，資源循環型社会構築の重要な鍵である。国政レベルにおいても「1000年後に評価される公共事業」，「200年住宅」などの文言に代表されるように，土木·建築構造物の長寿命化が重要課題と位置づけられている。構造物の長寿命化を達成するためには新築時の設計，施工とともに，維持管理の重要性が増すことは明らかである。合理的な維持管理を行って構造物の長寿命化を達成するためには，補修·改修を含めた物理的な耐用年数向上とそれをサポートするための情報管理が重要となる。本特集は，鉄筋コンクリート構造物および部材の維持管理のための情報蓄積や伝達に関して，特に無線情報技術の有効活用に的を絞っている。