陰イオン交換カラムを分離，濃縮と検出反応の一体化した場とするFIシステムによる食塩中のヘキサシアノ鉄(II)酸塩（フェロシアン化物）の迅速，簡便かつ高感度定量

摘要

食塩中のppmからサブppmレベルのフェロシアン化物を迅速·簡便かつ，高感度に分析するために新しいフローインジェクションシステムを開発した．陰イオン交換樹脂カラムをFIシステムに導入し，NaClマトリックスや共存イオンからのフェロシアン化物イオンの分離濃縮とフェリイン(Fe(III)の1,10－フェナントロリン錯体）との反応によるフェロシアン化物の検出反応を一体化した場として用いた．カラムに吸着されたフェロシアン化物はパルナ切替えによりカラムに呼人されたフェリイン溶液と直掛こ反応し，生成するフェロインの吸光度を512nmで測定することにより検出定量される．フェリインはフェロイン溶液をMnO個体反応菜別こ通すことでインライン生成されるので，余分な試薬溶紋を用いる必要がなく，希釈による不必要な感皮の低下や，流路を省くという利点がある．反応とマニフォールドに関係する諸因について評緋に検討し，最適な条件及びマニフォールド配置を設定した．6mのサンプルループを用いた場合，フェロシアン化物イオン(0.5mol/L NaCl共存）が0～0.3ppmの範囲で直線性の良好な検量線が得られた.0.05ppmのフェロシアン化物イオンを分析した際の変動係数1.6％であり，定量下限は0.003ppmであった．1回の分析時間は約9分と迅速である．本分析システムにより食塩中のppmレベルのフェロシアン化物が変動係数3％以下の精度で分析出来た.