DMAPAAグラフト繊維へのチタン酸ナトリウムの穏和な反応条件下での担持と得られた繊維を使う海水からのストロンチウムの除去

摘要

東京電力（株）福島第一原子力発電所（以後，福島第一原発と略記）1～4号機取水口前のエリアに原子炉建屋の側から汚染水が流入したため，16万m~3の汚染海水が貯留されている．汚染海水から放射性セシウム（例えば，Cs－137）や放射性ストロンチウム（例えば，Sr－90）を除去するときの難題は，吸着材が，海水にもともと溶存している非放射性のセシウムとストロンチウムを識別して放射性のセシウムとストロンチウムを捕捉できないため，放射性物質除去用の吸着材を汚染海水に大量に投入する必要がある点である．さらに，吸着操作後には吸着材を回収し，放射性物質遮蔽容器に吸着材を長期にわたって保管しなければならない．