CaO·2Al2O3による鉄筋コンクリート構造物の塩害抵抗性向上効果

摘要

我が国は周りを海で囲まれていることから，港湾や海岸に鉄筋コンクリート構造物が多く存在している．そのため，保有する膨大な社会資本の長寿命化を図るためには，これらの環境における塩害劣化作用に対して，その耐久性を向上させることが最も重要な課題の一つである．鉄筋コンクリート構造物に使われている各種鋼材は，pHが約10以上のアルカリ環境下では，クロムやチタンなどと同様の高い保護性能を有する不動態被膜と呼ばれる厚さ2～6nmの緻密な酸化被膜を形成し，それ以上腐食しないという特性を有する．