CO2分離回収用化学吸収液の硫黄酸化物による劣化が再生熱量に与える影響

摘要

増加する人口と豊かさの追求で国際的な資源争奪戦が激化している中で，エネルギー問題に対する重要な視点としては，これまでは3E，すなわちエネルギーの安定供給（Energy Security），経済性（Economy）および環境適合性（Environment）が重要とされてきた．ところが，2011年の東日本大震災と大津波，それに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故以降，さらに安全性の“S”（Safety）が加えて議論されるようになった．エネルギー問題には，この3E＋Sの視点の下で温暖化防止や環境維持の技術的な側面のみならず，資源の安定供給や経済性，さらには災害や事故リスクでの損失など社会的な側面も併せて考えなければならない総合学としての難しさがある．