太陽光発電「固定価格買取制度」法制化の意義と影響とは

摘要

総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会は、9日、第32回会合を開き、前回（2月25日）に引続き、太陽光発電の余剰発電分「固定価格買取制度」について審議をし、委員からの意見を基に同制度案修正バージョンを作成、再提出することとなった。 一方、同制度は、今国会で提出する「エネルギー供給構造高度化法案」（略称）で位置付けられ、法律としての枠組みが決定することとなる（10日閣議決定）。 急転直下の決定は二階産業大臣が2月24日の記者会見で、これまでの電力会社の自主的な買取制度を改め同者の「固定価格買取制度」として法制化することを発表したことに始まる。 買取価格は、現行水準24円が49円と約2倍となり、その対象間は10年程度とすることなどで、コストアップ分回収の短縮化（20年強から10数年程度）と製品のコストダウン（3～5年で2分の1）を促進し、「2010年10倍、2030年40倍」という「低炭素社会づくり行動計画」の目標達成を実現するというものだが、経済産業省では、これまで新エネ拡大策として「RPS法」を中心施策に位置付け推進してきただけに、この素早い変わり身に多方面から疑問町の声も上がった。 2月10日の環境省審議会の制度導入の提言や、自民党関係部会の法制化提言などが引き金となったとの見方もあるが、いずれにしても経産省審議会が無事開催され、制度自体の導入は決定、内容も大きく変更されることは無くなった。 これまでオール電化住宅普及に大きな役割を果たした、余剰電力買取制度が拡充·法制化することはガス業界への影響も当然出てくるだろう。 今後の対応について改めて検討すべき時が来ているとも言えそうだ。