原油再び価格上昇の懸念、今後のガス業界の対応とは？－柴田·丸紅経済研究所所長に、価格予測と対応のポイントを聞く－

摘要

米金融大手のゴールドマン·サックスは、6月3日、原油価格について、「09年末85ドルJなどとするレポートを発表。一部でエネルギー危機の再来を示唆するものとして受けとめられ、ガス業界でも危機感が広がり始めた。一方、3月10日から6月15日までの業種別日経平均の暴落率では36業種中、ガスが最下位、電力は35位となった。報道では「金融、証券、不動産株が2倍程度に値上りしたのと対照的に、3月までの株安時に景気の影響を受け難いディフェンシブ銘柄として買われてきた反動による“売り”と、原油、天然ガスの調達コストの増加による業績の下振れ懸念が出てきているのではないか」と指摘した。「原油は、地球温暖化や安価な資源の枯渇問題を考えた場合には安過ぎる。他の商品の値上り率から見て、いつ100ドルを付けても不思議ではない」と主張し、昨年の100ドル超をかねてから予測していた丸紅㈱経済研究所の柴田明夫所長に、今後の見通しとエネルギー業界の対応についてうかがった。