循環式給湯配管システムにおける溶存気体の挙動と銅管の浸食防止に関する研究

摘要

銅管は給湯配管の主要材料として使用されて来たが、稀にFig．1に示すような腐食問題を発生することがある．その中で、潰食（erosion corrosion）は循環式給湯銅管に発生する代表的な腐食現象で、Fig，2に示すように配管の曲がりやバルブなどの下流側で発生し、局部的に馬蹄形あるいは波状で酸化皮膜のない（非常に薄い）侵食面を呈する．潰食は孔食に比べて水質との関連が少なく、これまでは流速が大きい場合に曲がり．や継手の下流側で発生するキャビテーションや乱流の増長が原因と考えられて来た．潰食防止のため、一般的に管内流速を1.2m／s以下にするように設計されているが、設計条件以下の流速でも潰食が発生している．この理由として、給湯配管システムの構造が指摘され、配管内で発生する微細な気泡の機械的作用が影響する可能性が示された．