本症例は両側第一大臼歯の鋏状咬合を主訴に来院した13歳8か月の日本人女子である.分析結果から両側第一大白歯鋏状咬合と過蓋咬合を伴うAngle Class I症例と診断した.治療は,両側第一大臼歯の校合の鉄状改善に3Dリンガルアーチ,下顎にバイトプレート装着し顎間ゴムを用いた.さらに過蓋校合の改善のため,マルチブラケット装置を用いて非抜歯にて改善を行った.動的治療期間は2年7か月であった.治療の結果,上下顎両側第一,第二大臼歯の挺出と上顎両側第一白歯の口蓋側傾斜ならび挺出と下顎両側第一大日菌の唇側傾斜により両側大臼歯部鋏状咬合と過蓋岐合が改善された.保定期間は2年を経過しているが,安定した岐合を維持している.
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