Cu-14%Ni-2%Al合金の時効処理後の強度に及ぼす前加工の影響

摘要

Cu-Ni系合金は、固溶強化型合金でキュプロニッケルに代表されるように、優れた耐海水性から船舶や臨海地域のプラントなどの熱交換器用の管材や管板として使用されている. このCu-Ni合金は全率固溶型の合金として一般に知られているが、この合金に他の銅に固溶する元素が加えられると析出強化合金となる. Cu-Ni-Al合金ではスピノーグル分解により、周期的な組成変動を伴う変調構造の形成により強化される. Cu-Ni-Al合金（C72400）は耐海水性に優れた高強度部材としてオイル·ガス工業、航空分野や自動車産業で利用されている. Cu-Ni-Al合金は時効処理後の引張強さが1GPaを超えるものもあり、古くから変調構造の解析1）、粒界反応析出に関する研究が行われている. しかし、製造工程で用いられる加工と時効硬化の関係に関する知見は少ない.