冷却速度が耐脱亜鉛腐食黄銅ろう付部の諸特性に及ぼす影響

摘要

黄銅は耐食性や打ち抜き絞り加工、展延、鍛造などの加工性に優れているため、水栓などに多く使用されている·しかし、黄銅は一定環境下で脱亜鉛腐食1）2）が発生する. この発生メカニズムは明確にされていないが、この脱亜鉛腐食を防ぐために耐脱亜鉛腐食黄銅の開発が積極的に進められてきた2）. 一般に、耐脱亜鉛腐食黄銅は通常の黄銅へSnを添加することにより脱亜鉛腐食を抑制し、耐食性を向上させている2）. また、工業的に利用する際には、ろう付などにより接合する必要がある. ろう付ほ、接合部近傍を含めた接合部全体を均一に加熱し接合する技術である. 従って、ろう付を行うと加熱による熱影響とその後の冷却により、黄銅組織が変化し、耐脱亜鉛腐食性に影響を及ぼすと言われている.