再燃前立腺癌に対する低用量Glucocorticoid療法の臨床的検討

摘要

再燃前立腺癌15例を対象に,LH-RHanalogue投与下に低用量glucocorticoid療法を施行した.効果判定は血清PSA値を用い,全体で8/15例(53.3%),Gleason score6以下で5/6例(83.3%),7で2/8例(25.0%),8以上で0/1例(0%)の有効率(CR+PR)であった.また,奏効期間は1カ月未満から15カ月(平均6カ月)であった.骨転移についてはbonescintigraphy上でのEOD scoreで著変を認めずALPで4例(26.7%)が上昇傾向,1例(6.7%)が下降傾向を認めた.QOLについてはECOG分類を用いScale1(痛みの程度),Scale2 (鎮痛薬の使用状況),Scale3 (P.S.)について評価した.疼痛の強かった11例中8例(72,7%)で疼痛の軽減を認めた.本法は原疾患に対する一時的な有効性とQOLの改善という観点から再燃前立腺癌に対する治療の選択肢の1つとなりえると考えられた.