オペレーションシステム開発におけるモデル駆動アーキテクチャ適用に関する一検討

摘要

近年のネットワーク高度化やサーゼスライフサイクルの短命化に伴い，新サービス対応のOSS（Operation Support System）もサービス毎に個別に開発されることが多くなった結果，通信事業者内のOSS構成の複雑化を招き，OSS開発にかかるコスト増加の一因となっている．我々は特にOSSの扱う情報の分散／重複管理が機能の重複開発等コスト増加に大きな影響があると考え，業界団体TM Forumの情報モデルSID（Shared Information and Data modelling）を使ってOSSデータの共通化を試み，概念モデルであるSIDと実装時に用いるデータモデルにギャップの埋め方が課題の一つであることを指摘している．一方，TM Forumの仕様の情報モデルの間にも類似の課題があり，TM Forumはモデル駆動アーキテクチャ（MDA）によってこの課題を克服しようとしている．本稿では，TM Forumが提案するMDA開発を支援するツールJOSIFを試用した経験を踏まえ，SIDベースのデータ共通化にMDAを適用する際の課題について論ずる．