膵癌治療における放射線療法の役割と課題

摘要

要約：局所進行膵癌の治療においては，局所の制御が得られない限り長期予後の向上は得られないことから，化学放射線療法にその役割が期待されている。化学放射線療法の標準治療は5-FU併用化学放射線療;まであるが，塩酸ゲムシタビン（GEM)またはテガフールギメラシル-ォテラシルカリウム配合カプセル剤（S-1)との併用も試みられている。いずれも放射線療法との併用時には消化管障害が問題となるが，リンパ節領域への予防照射を省いた限局照射法を用いることで，放射線治療期間中もFull-doseの抗癌剤投与が可能となることが明らかとなり， MST約ほ力月，2年生存割合は約25。んと良好な治療成績が示されている。導入化学療法の意義は現在のところ不明であるが，本邦で前向き試験が計画されており，その結果が期待される。