切除不能悪性胆道閉塞に対する超音波内視鏡下胆道ドレナージ(EUS-BD)

摘要

切除不能悪性胆道閉塞に対する超音波内視鏡下胆道ドレナージ(EUS-BD)の現況を概説した。本法は腫瘍の浸潤などが原因で,内視鏡的値道ドレナージ(EBD),経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)が困難な症例において,十二指腸球部等からコンペックス型超音波内視鏡ガイド下に肝外胆管を穿刺,ガイドワイヤー下にステントを挿入する手技であり,近年報告例が増加している。適応は切除不能症例とする施設が多いが,今後術前症例における安全性の検討が待たれる。成功率はEtTSに熟達した施設から75-100%と報告されている。特長として,一期的な内癌が可能で, EBDと比較してより長期の開存期間が期待されているが,胆汁性腹膜炎,気腹症などの合併症に留意する必要がある。今後,安全性,長期成績に関する多施設共同研究が待たれる。また胆管穿刺の方法,処置具は統一されておらず,今後手技および処置具の標準化の検討が必要である。