ss胆嚢癌に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の是非自験例の成績検討と考察

摘要

ss胆嚢癌に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の是非につき，自験例の検討を加えて考察した。 現在は術前にss癌と確定診断されれば開腹下で根治切除を行うことが原則である。 しかし診断面に限界がある限り，Lap－Cとの関連は避けて通れない。 Lap－Cの術時にss癌の存在が確定して開腹移行により追加切除を行えば，開腹と同様の成績が得られると考えられ，自験例でも同様であった。 ただし胆汁散布とボート部再発は特異的な問題として注意を要する。 慢性胆嚢炎，腺筋腫症との鑑別不能例では，開腹移行の可能性を念頭においた消極的な適応と考えられる。早期類似痛もss癌である限りは原則的な扱いをすべきであるが，その予後も良いので今後は積極的な適応として評価される可能性を踏まえ，きちんとした議論が必要である。