1回静脈採血によるN-isopropyl-p-[~(123)I]iodoamphetamineを用いた局所脳血流測定のための入力関数の積分値の推定

摘要

N-isopropyl-p-[~(123)I]iodoamphetamine (~(123)I-IMP)静注後, 26分時の静脈血中放射能が5分時の動脈血中オクタノール抽出分画放射能の代替となりうるか検討し,さらにこの代替した値と全脳における~(123)I-IMPの時間放射能曲線を用いて持続動脈採血による入力関数の積分値が推定可能か検討した. 26分時の動脈血中放射能(x)は15分時の動脈血中放射能(y)と良好な相関を示した(r=0.902;n=91;y=2.348x-867.063). 26分時の静脈血中放射能(y)と動脈血中放射能(x)も良好に相関した(r=0.954; n=14; y=0.761x+924.336).さらに, 26分時の静脈血中放射能(x)は5分時の動脈血中オクタノール抽出分画放射能(y)と良好に相関した(r=0.964;n=32;y=0.173x-21.598).この回帰式を用いて26分時の静脈血中放射能から5分時の動脈血中オククノール抽出分画放射能を推定し,推定した借と~(123)I-IMP静注後7分間の全脳における時間放射能曲線を用いて算出した入力関数の積分値(y)は5分間の持続動脈採血により測定した入力関数の積分値(x)と良好に相関した(r=0.965;n=41;y=0.957x+2665.208).以上の結果から,本法により非侵襲的で簡便な静脈採血から持続動脈採血による入力関数の積分値を推定することが可能であると考えられた.