病態生理からみた心筋バイアビリティ

摘要

虚血によって引き起こされる不可逆的な心筋組織の変性の程度と広がりの可視化にPET、SPECTなどのイメージング手法が看効であり、Tl-201の再分布画像、およびF－18FDGの集積は、残存心筋組織の空間的な広がりを表す指標として広く利用されている。前者の場合には、心筋細胞がカリウム同族体であるTト201タリウムをよく取り込むことを利用して、静脈投与の数時間経過後の画像がイオンポテンシャルの保たれている細胞の空間的密度分布に対応することを基にしている。しかし実際には、Tl－201の集積は血流の影響を受け、またイオンポテンシャルが低下していても、可逆な組織が存在する可能性も考えられ、厳密な組織viabilityの指標となり得るのか否かについては疑問が残る。