高度進行肝内胆管癌に対するリザーバー動注化学療法＋放射線療法

摘要

肝内胆管癌は比較的稀な肝原発性悪性腫瘍である。 治療の第一選択は外科切除であるが，高危険群がはっきりしており定期的screening検査がなされる肝細胞癌とは違い，早期発見が難しく，かなり進行した状態で発見されすでに外科手術が困難であることも多い。 当科ではそのような症例に対してリザーバー動注化学療法＋放射線療法を行っている。 当科の25症例での治療成績は，6カ月後の治療効果の総合評価はPRが9例，SDが2例，PDが13例，data無しが1例で，奏効率は36％（9/25）であり，生存率は1年が52．5％，2年が437％，3年が28．1％であった。 また予後予測因子について検討した結果，単変量解析で女性，遠隔転移and/or大動脈周囲リンパ節転移無しの症例で有意に予後良好であった。 有効とされる内科的治療法が確立されていない現状では，本治療法は試すに値するものと考えられ，今後有効性，適応などを検証するためには，多施設での共同研究が必要であろう。