虚血性心疾患における運動負荷~(99m)Tc－Tetrofbsmin心筋シンチグラフィの肺野集積測定の臨床的意義

摘要

虚血性心疾患81例を対象に~(99m)Tc－Tetrofosmin（TF）運動負荷心筋シンチグラフィを行い，肺野心筋TF集積比（P/M）を定量し，多枝病変例の虚血検出ならびに重症度評価への有用性を検討した．対象例中の21例では，TF運動負荷心筋シンチグラフィと同時期に~(201)T1C1（T1）運動負荷心筋シンチグラフィを行った．TFとTlとのP/Mの相関はr＝0．86と良好であった．81例全例におけるTFのPFMと冠動脈造影所見との比較検討では，3枝病変でP/Mは高値を示したが，冠動脈狭窄度との有意な関係は見られなかった．TFのP/Mと左室駆出率との比較では，LVEFが50％未満の症例でP/Mが有意に高値を示した．したがって，TFのP/Mの定量は，虚血の検出精度の向上ならびに心筋虚血の重症度判定に臨床的有用性が確認され，付加的指標として有用であることが示された．