重症免疫性神経疾患に対する血液浄化

摘要

免疫性神経疾患でエマージェンシーにおける血液浄化を必要とする疾患は， Guillain－Barre症候群（GBS）と重症筋無力症（MG ）クリトゼである。 いずれも筋脱力という臨床症状を呈するが病態生理はかなり異なり，血衆交換の歴史的理論的背景も異なっている　 GBSは， T細胞と液性因子の両者が介在すると考えられ，血梁交換の有用性が　 大規模なランダム化比較試験で証明されているが，その効果の機序は十分には解明されていない。 対照的に， MGは抗体介在性の疾患であり，血衆交換の効果の理論的背景は明らかではあるが，大規模なランダム化比較試験による検討はほとんど　 なされていない。 両者ともときに急性の経過で呼吸筋麻痔を生じることがあり，また，適切な処置により治療可能であるという点でも救急疾患として重要である。